『Roots』

タイ古式マッサージのルーツは、インドのヨガと仏教にあり、2500年前アーユルヴェーダの医師シヴァカ•ゴマラパトによって考案されました。その後、インドから、今日タイと呼ばれる地域に、タイ北部を統治するモン族が招いたインド仏教の僧侶とアーユルヴェーダの医師によってもたらされました。その時から、タイマッサージは、タイの伝統医学の一部として存在しています。

 『Jivaka Komarabhacca』（シバカ•ゴマラパト）

タイ古式マッサージの創始者。仏陀の主治医であり、サンガ(仏教僧の集団)の筆頭医師（アーユルヴェーダ）として活躍していました。当時から、脳外科手術の技術を持つ優秀なお医者様です。またタイでは、『タイ医学の父』として称えられています。

売春婦の捨て子として産まれましたが、才能を見出されビンビサーラ王に養われ、当時の最高学府タキシラ大学で医学を学び、名医となりました。その後、お釈迦様をはじめ多くの人々の治療行い、マガダ国の保健大臣にまで昇進しました。

しかしカーストによる差別はあり、被差別民の出であったシバカは差別のない治療を積極的に行おうとしますが、それには限界がありました。そこで、身分による差別のない医療機関を設立しました。これが「シバカのマンゴ園」と呼ばれる、2500年前の医療施設です。

現在は、石塁が残るのみですが、発掘調査の結果、当時の医療器具や手術用具と思われる遺物が出土し、ここに医療機関があった事が立証されています。

また『耆婆扁鵲（ぎばへんじゃく）』という四字熟語の、耆婆は、シバカの事で、扁鵲とは、古代中国の名医で、腕の良い医者を意味します。

『SEN』『二人でするヨガ』

写真は、バンコクのワットポーというお寺の壁画です。この壁画には、『SEN』というエネルギーラインが描かれています。タイ伝統医学では、人の体の中には72000本の生命エネルギーの流れるエネルギーラインがあると考えています。タイマッサージは、体の72000本の生命エネルギーのラインのうち、10本を主要なエネルギーラインと考えていて、タイマッサージは、この10本の主要エネルギーラインをマッサージすることによって、生命エネルギーの流れを良好にし、自然治癒力を回復させていきます。またストレッチを取り入れるのもタイ古式の特徴で、別名『二人でするヨガ』と言われ、その気持ち良さから、『世界一気持ちいいマッサージ』と言われています。

『七夜待』

動画は、長谷川京子さん主演の映画『七夜待』です。この映画には、随所にタイマッサージの場面が出てきます。この映画には、タイマッサージの良さがにじみ出ていて、ただ単に、カラダをほぐすだけではなく、ココロも解放されていく様が、よく描かれています。

※河瀬直美監督インタビュー

『自律神経を整え、血行促進』

NHKで過去に放送された『タイ伝統マッサージの不思議に迫る』という番組です。タイ古式の重きを置いている足の施術で、自律神経の乱れが整ったり、血行がよくなる事を科学的データで実証している貴重な動画です。